麺が売り切れ次第営業終了の洋食屋!? 大阪市浪速区「グリルとんちゃん」へ行く!

皆様こんにちは。太陽製麺所です。

今週の「太陽号が行く!」は創業47年、大阪市浪速区にお店を構える洋食屋「グリル とんちゃん」さんです!

実はこちらの「グリルとんちゃん」。週のうち金、土、日とお休みのランチ営業。かつ営業時間は一応14時までとはなっているものの、実際は「ある品」が売り切れると即のれんを閉まって営業終了という何とも「ファン泣かせ」なお店。

さらにその売り切れになると終わるという「ある品」がひとつの名物となって、いかにも下町の洋食屋!という風貌であるにも関わらず様々なところで有名になってしまい、ますますお客さんが集まり、ますます閉まる時間が早くなってしまっているという怒濤の「ファン泣かせ」っぷりなのです。

我々「太陽号が行く」では普段はお店に迷惑のかからないよう閉店ぎりぎりや閉店後など、お客さんのほとんどおられない時間を狙って行くのですが、そんな「グリルとんちゃん」さんですからぎりぎりを狙う行為も冷や汗もの。

もしのれんが仕舞われていたらどうしよう、なんて思いつつお店に向かうと、上の写真通りなんとか開店営業中。中を確認すると、幸い皆さん食べ終わる頃で何とかセーフ。

ちょっとだけ外で待ち、空いた頃合いに中に入ると目の前に広がる店内がこちら。

笑顔で働くお母さんに黙々と料理をされるご主人。綺麗に整えられた店内に、ピカピカに磨かれまるで鏡のように光を跳ね返すカウンター。右上の棚に置かれているのは、心遣いが優しい空気清浄機に、日常を感じさせてくれるジャパンの人形、そして食品衛生の賞状など。

どこを見てもご主人とお母さんの工夫や気遣いの感じられる店内。ここには決して一朝一夕では出すことのできない、ご主人とお母さんが長年歩んできた歴史だけが作り出せる安心感があります。

せわしなく働く中、合間をぬったお昼休みにいつもの近所の洋食屋でほっと一息昼ご飯。そんな何気ない幸せの代名詞的存在がここ「グリルとんちゃん」なのです。

というわけでそんなとんちゃんの気になるメニューはこちら。

このちょっと崩れた「献立」という文字が妙に可愛らしいのが気になりますが、それは一旦置いておいて、メニュー内容を見ていくと、A,Bランチに始まりエビフライやトンカツ、ミンチカツ。もちろんポークチャップもあります。

そんな中で少し気になるメニューがありますね。一枚目の一番左。

「うどん、そば」

そう、ここ「とんちゃん」では洋食だけではなくうどんとそばも提供しているのです。

しかもこのそばに至ってはますます洋食屋で見かけることはない「黄そば」。そしてこの「黄そば」こそが、売り切れたら即営業終了となる「ある品」であり、名物メニューなのです。

ちなみにこの「黄そば」というのは(恥ずかしながら僕はあまり知らなかったんですが)、和風出汁にうどんや和蕎麦の代わりに中華麺を入れたものだそうで、確かに関西圏の食堂やうどん屋、そば屋さんではたまに置かれてるお店もあります。

しかしそれはあくまでもうどん屋さんには、という話。当然今まで洋食屋さんでは見たことがありません。果たしてその洋食屋さんであるとんちゃんで出される黄そばとはどのようなものなのか、そして一体どのような経緯でお店で出すことになったのでしょうか。

洋食屋で出される「黄そば」(中華麺+和風だし)とは一体!?

というわけで今回頼んだメニューは

Aランチ+黄そば
Bランチ+黄そば

という2セット。まあようはランチが変わっただけなんですが、これが「グリルとんちゃん」の基本構成。これを頼まずには語れないのです。

ではもう早速「黄そば」の正体を見ていきましょう!

これが「グリルとんちゃん」名物中の名物「そば」です!

なんともドシンプルなこの見た目。琥珀色の和風だしに沈んだ中華麺。共に入る具材はカマボコ2切れにほんのわずかな天かすとネギ。そして気づきにくいですが天かすに混じってうすーく切った揚げも入っています。

とはいえ揚げの有る無しに関わらず、料理としては何せKing of シンプル。単純この上ない作りです。僕も正直「はい、どうぞ」とカウンターに出されたときのこのメニューのあまりに簡素な佇まいには呆気に取られました。

しかし実はこの単純な「黄そば」。ただ単に具材が少ない、というわけではなく、その具材の少なさ故の食べ方があり、それこそが「とんちゃん」の魅力。

その食べ方とは。

(Bランチ+黄そば)

これですこれ。実はこことんちゃんではほとんどのお客さんがランチを頼み、そのランチのスープとして黄そばを食べるというのです。

そう考えるとシンプル過ぎるくらいの黄そばも納得の一言。むしろそうでなければならないのです。

というわけで早速いただきまーす。

うん、こりゃ美味しい!

びっくりするくらいスルッと口に入ってきて、そのままスルッと胃に落ちていくこの感覚。和蕎麦はうどんにはない、中華麺だからこそのツルツル感。でも舌に広がるのはうま味の効いた和風だしでしか味わえない、美味しさがじわりと体に染みこんでくるあの感覚。

そば・うどんでは味わえない中華麺の良さを、こっそり持ってきちゃったこの感じ。これぞ黄そばですね。

というわけでスープ代わりの黄そばを堪能し、次は「グリル」とんちゃんとしてのメインであるランチに向かいます。

はい、こちらがAランチです。先ほどのBランチにハンバーグを付け足したものとなっています。

(ちなみにほとんどのお客さんはAランチだと量が多いので、Bランチに黄そばをセットして食べるそうです)

じゃあまずはハンバーグから。ぶすりと切って、いただきまーす。

綺麗な焼き目に所々吹き出す肉汁。これぞ洋食屋さんのハンバーグ。デミグラスが安心の美味しさ。

次は真ん中のカツをいただきまーす。

染みこんだソースにしっかりとしたお肉。小ぶりに切ってあるので食べやすくて、さっくり美味しい。

そして最後はやっぱり海老フライ。

切り開かれた海老がぎっしりと詰まったこのフライ。衣もカツ同様さっくり薄くて食べやすく、何とも美味しいです。

ソースはカツと同じでもいいですが、テーブルに置かれたとんちゃん特製マヨネーズがおすすめです。かなりしゃぶしゃぶで酸味の効いたマヨネーズソースは、さっぱりながらも食欲を増し、海老の美味しさをこれでもかと強調してくれます。

というわけで・・・ごちそう様でした!スープ代わりの黄そばから始まり、ジュワジュワハンバーグにサクサクカツ、そしてぎっしり海老フライと、どれも美味しかったです。

では最後にずっと聞きたかったこの質問を。

何故洋食屋で黄そばを・・・?

率直に疑問をぶつけて見ると、お母さんがこれまたカツと同じくあっさりサクッと答えてくれました。

「昔は他にうどんと和そばと焼きそばやっとったんやけど、お客さんがこのそば(焼きそばの麺)うどんの出汁に入れてくれー、て言うからやったんやー」

とのこと。

前回も書いた通りここ「グリルとんちゃん」は創業47年。その歴史の中で、変わり種のメニューをやってやろうとか、あそこの店が流行っているから参考にしてみようとか、そういった形ではなく、毎日のお客さんとのコミュニケーションの中で独自のメニューが出来ていく。

これぞ個人で長年やっているお店ならではの進化であり、お店の魅力。何とも深いです。

というわけで最後にそんなご主人とお母さんに登場してもらいましょう。どうぞ!

笑顔の素敵なお母さんに、いかにも職人なご主人。真っ白のコックコートが示す通りお二人の綺麗好きさは筋金入り。

最後に僕が「しかし本当ピカピカのカウンターですね」と言うと、従業員の方が「毎日毎日掃除掃除で・・・」と笑顔で軽くぼやいてしまうほど徹底して掃除されているそうです。

お昼のみ、しかも週に4日しか空いていないのでなかなか行くタイミングが難しいとは思いますが、是非皆さんも一度足を運んで見てください。

食べ終わって外に出たとき、胃も心も何気ない幸せに満ちること間違いなしと思います!

営業日は月~木。
営業時間は午前10時半から午後2時まで。(でもだいたい1時45分にはお店は閉まっちゃうので、行かれる際は余裕を持ってどうぞ!)

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